事故から6年。絶望から感謝の日に変わった、7月27日。

7月27日、私にとって忘れられない一日です。

6年前のこの日、旅行先のホテルで階段から転落。第一腰椎破裂骨折で救急搬送されました。

人生が根底から揺らぐような、あの衝撃と痛み。
「もう普通には歩けないかもしれない、二度と踊ることはできないかも」
あまりのショックに、ベッドの上でただ天井を見上げながら、これからの全く予測できない未来に絶望しました。

子どもは軽傷で済んだことが唯一の救いでした。

当たり前にできていたことが、できない生活。体を起こすことも、寝返りをうつことも満足にできない。
あの時の無力感と恐怖は、今でも胸の奥に深く刻まれています。

リハビリは、つらく退屈な日々でした。
焦る気持ちと、思うように動かない身体とのギャップに、何度も心が折れそうに。
それでも、担当してくださった医師や理学療法士の先生方、支えてくれた家族や友人のおかげで前を向くことができました。

おそるおそる、数ヶ月ぶりにタップシューズに足を通した日。 床を鳴らした「カツッ」という、たった一発の音。 その音が、どれほど愛おしく、自分の心に響いたか。あの瞬間の感動は、一生忘れることはないでしょう。

あれから、6年が経ちました。

いわゆる後遺症はありませんが、身体は元通りになったわけではありません。
ボルトは抜きましたが、背骨の一部は金属に置き換わったまま。疲れが溜まってくると、今でもズーンと重たく痛みます。
でも、不思議とこの痛みが憎いと思ったことはありません。
むしろ、これは私に「無理しすぎるなよ」「身体を大切にしろよ」と教えてくれる、シグナルのようなものだと感じています。

この身体になってから、踊り方も変わりました。
以前よりもずっと、自分の身体の使い方を意識するようになりました。
一歩の重み、重心の置き方、力の抜き方。
タップの一音一音が、以前よりもっとクリアに、もっと大切に感じられるようになった気がします。

6年前の7月27日は、一瞬にして生活が急変した「絶望の日」でした。 しかし、6年経った今、7月27日は、多くの人に支えられて今ここに在ることを実感し、生きていること、踊れることに心から感謝する「第二の誕生日」になりました。

この記事を読んでくださっているあなたにも、心から感謝します。 いつも、本当にありがとうございます。

これからも、この身体と、僕のタップと、丁寧に向き合いながら。
一歩一歩、感謝しながら、一日でも長く大切に音を紡いでいきたいと思います。

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