【体験談】骨折後のボルト、抜く?抜かない?後悔しない決断

骨折後の「抜釘手術」、多くの人が悩む選択

怪我をしてから、SNSなどを通じて同じような骨折をされた方の話を見たり、相談を受けたりする機会が増えました。症状は人それぞれで、明確な答えがない中で、多くの方が不安を抱えているようです。

中でも特に多いのが、「骨折箇所を固定しているボルトは、抜くべきか?」という悩み

「抜釘(ばってい)」手術
「抜釘」・・・「ばってい」と読みます。意味は、釘を抜く。似た言葉に、抜糸・抜鈎があります。

治療とはいえ、体の中に異物があること、そして当たり前だった動きが制限されることのストレスは計り知れません。

この記事では、そんな「抜釘手術」について、判断基準やリスク、そして僕自身がどう考えて決断したのかをお話しします。

そもそも抜釘手術とは?判断基準とリスク

まず、抜釘手術を考える上で知っておきたい基本的な情報と、メリット・デメリットを整理します。

抜釘するかどうかの判断基準

一般的に、抜釘するかどうかは、怪我の状態、年齢、そして今後の活動量などから総合的に判断されるようです。

特に、若い人や体をよく動かす人の場合、長期間ボルトを入れたままにすると金属疲労による破損のリスクが高まるため、抜釘を勧められることが多いと聞きます。(ちなみに、40歳手前までが「若い人」の目安だそうです)

抜釘手術のメリットとデメリット(リスク)

「異物がなくなる」という精神的な安心感や、可動域の改善が期待できるのが大きなメリットです。

しかし、抜釘もノーリスクではありません。 支えがなくなることで、骨折部分の沈み込みや再骨折のリスクが伴います。そのため、抜釘後も約1ヶ月は安静が必要となり、ボルトが埋まっていた穴が完全に塞がるまでは、骨折のリスクが残ります(僕の場合は120日ほどかかると言われました)。

残すにしても、取り除くにしても、どちらにもリスクがある。100%の正解はなく、あるのはリスクの大小の違いだけなのです。

実際に自分の体に入っていたボルト類

こんなのを骨にねじ込むわけなので、術後の痛みは当然ですね。
ちなみに、素材はチタン。1本10万くらいするらしいです。

僕が抜釘手術を選んだ理由と、後悔しない決断

では、僕自身はどう考えて決断したのか。

すべては「ダンス復帰」のためだった

僕の場合、治療を始める段階から、医師には「できることなら、またタップダンスができるようになりたい」と強くお願いしていました。

その結果、当初1回で済ますはずだった手術は、より確実性を高めるために2回に分けることに。手術による体への負担は大きくなり、動きの制限もより厳しいものになりましたが、すべては「以前の生活に戻るため」。抜釘することを前提とした治療計画でした。

そして、最初の手術から2年が経った現在。
子どもを抱っこしたり、走ったり、ジャンプしたり、そしてタップをしたり。ほぼ制限のない生活に戻ることができました。

もし仮に、思ったほど回復できなかったとしたら?

そう聞かれたら、もちろんショックで落ち込むでしょうが、おそらく後悔はしていないと答えます。

なぜなら、それくらい真剣に考え、聞きたいことはすべて医師にぶつけ、最終的に自分自身で納得して出した結論だからです。選択肢があるうちは、精一杯悩んで、情報を集めて、考え抜くしかないのだと思います。

まとめ|怪我の功名?決断を乗り越えて得たもの

怪我をして、正解のない決断を迫られ、それを(支えてくれた家族に感謝しつつ)乗り越えた結果、僕の「決断力」は確実に上がった気がします。そういう意味では、怪我を経て生まれ変わったとさえ思っています。

どんな結果であれ、自分で選んだ選択を後悔しない。そのために、今できることを全力でやる。
この記事が、今まさに悩んでいる誰かの、決断の一助となれば幸いです。

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