先日、階段から転落し、人生で初めて「腰椎骨折」と診断されました。
まさか自分が…とショックを受ける中、情報を集めようとネットで検索しても、出てくるのは高齢者の骨粗鬆症による骨折の話ばかり。若い世代の腰椎骨折に関する情報が驚くほど少ないことに気づきました。
医師の説明だけでは分からないことや、今後の治療への不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、自身の経験をもとに、若い人の腰椎骨折の原因や治療法について調べた内容をまとめました。
※この記事は一個人の体験と調査に基づいています。正確な診断や治療については、必ず専門の医師にご相談ください。
背骨(脊椎)の構造と骨折部位
今回、私が診断されたのは「第一腰椎の破裂骨折」です。正直、「第一腰椎ってどのあたり?」という状態でした。
背骨は、専門的には「脊椎(せきつい)」と呼ばれ、「椎骨(ついこつ)」という24個の骨がブロックのように積み重なってできています。
脊椎は上から順に、
- 頚椎(けいつい):7個
- 胸椎(きょうつい):12個
- 腰椎(ようつい):5個
と区分され、その下に大きな「仙骨(せんこつ)」と「尾てい骨(びていこつ)」が続きます。

ちなみに、首の長さが全然違うキリンも、人間と同じ7個の頚椎でできているそうです。

腰椎骨折の主な原因
椎体骨折の原因は、骨の強度と、加わる力のバランスで決まります。
外傷による骨折(若い人に多いケース)
若い世代の骨折は、交通事故や転落など、外部からの強い衝撃によって起こる「外傷性椎体骨折」がほとんどです。健康な骨でも耐えきれないほどの大きなエネルギーが背骨に加わることで骨折に至ります。
病気による骨折(高齢者に多いケース)
一方、高齢者に多いのが、骨粗鬆症や転移性骨腫瘍などによって骨がもろくなり、くしゃみや尻もちといった非常に弱い力で折れてしまう「病的椎体骨折」です。特に「脊椎椎体圧迫骨折」は、高齢者の四大骨折の一つに数えられるほど頻度の高い怪我です。
このように、腰椎骨折は高齢者に多い怪我であるため、ネット上の情報も骨粗鬆症を前提としたものが中心になっているのが現状です。
ちなみに、骨折の状態によって呼び名が異なり、椎体の前側だけが潰れるものを「圧迫骨折」、後ろ側まで壊れて神経の通り道(脊柱管)に影響を及ぼす可能性のあるものを「破裂骨折」と呼びます。
腰椎骨折の治療法
治療法は、骨折の程度や神経症状の有無によって異なり、大きく「保存療法」と「手術療法」の2つに大別されます。
保存治療
神経麻痺などの症状がなく、骨折の程度が比較的軽い場合に選択される治療法です。
コルセットなどで患部を固定し、骨が自然に癒合するのを待ちます。
安静期間は2〜3ヶ月ほどで骨が固まるのが一般的ですが、まれに骨がうまくつかない「偽関節(ぎかんせつ)」という状態になるケースもあります。
手術治療
手術によって骨折部を整復・固定し、早期の回復と安定を目指す治療法です。損傷の程度によっては、完全に元通りにならない場合もあります。
近年は医療技術が進歩し、体への負担が少ない低侵襲手術も増えています。手術の目的(神経の圧迫を取り除く「除圧」、骨を安定させる「固定」など)や部位に応じて、様々な術式が選択されます。
主な術式
・後方固定術(PLF)
・後方椎体間固定術(PLIF)
・バルーンカイホプラスティ(BKP) など
やはりネットで調べると、高齢者向けの低侵襲手術の情報が目立ちます。
自分と同じように、若い世代で腰椎骨折を経験し、情報が少なくて不安を感じている方は少なくないはずです。この記事が、少しでもそうした方々の参考になれば幸いです。
今後は、入院生活やリハビリの様子など、実体験に基づいた情報をさらに発信していきたいと思っています。